教授の挨拶

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ご挨拶

令和元年度の初夏にあたり
 こんにちは、包括歯科補綴学分野を担当する小野です。
 早いものでいつの間にか任期も5年目、後半戦に入りました。
 新潟の冬の寒さにも慣れ、皆様のご指導のおかげを持ちまして、分野主任、副学部長、副学系長、評議員としての職責を勤めさせていただいていることに感謝いたしております。

 さて、この4年余りの間、8名の大学院生(プラス5名の社会人大学院生)を迎え、約10名の教員・医員とともに、臨床・教育・研究に取り組んで来ましたが、今年の春ようやく「第一世代」の博士号取得者5名を世に送り出すことができました。人生の貴重な4年間を当分野での研鑽に費やした大学院生たちと、それを支えた分野スタッフの労を心からねぎらいたいと思います。

 当分野が担当する有床義歯補綴学は、もとより伝統的な臨床歯科学の一分野でありますが、今日的な意味では、超高齢社会の歯科医療において一翼を担うべきアートであり、ヒトの口腔機能と健康や生きがいとの関係を明らかにし、良い方向へ導くためのサイエンスであると言うことができます。私が着任時に掲げたスローガンである「歯科補綴学のリコンストラクション」−従来の「補綴装置による治療体系」に加えて「機能障害(病態)による治療体系」を確立すること−の実現には、そのアートとサイエンスの両方が必要です。

 そのために、当分野では、咬合・咀嚼機能だけでなく嚥下・構音を回復する装置の技術開発や、咀嚼・嚥下機能の生体計測とその多面的応用について、多くの研究を行なって来ました。その成果は、咀嚼能力検査法や咀嚼回数計の開発、それらの医学や食品科学への展開など、着実に社会実装や歯学以外の学問領域への広がりを見せており、国際的にも評価されつつあることは非常に嬉しいことです。

 しかしながら、国立大学の課題である次世代を担う若手研究者・教育者の育成は、まだ道半ばです。前半の反省を踏まえて、後半4年間の取り組みを進めて行きたいと思います。今後も、「個々を高めることにより、医療と学問を通して社会に貢献する集団となること」と言う分野の目標は変わりません。引き続き、皆様のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。

新潟大学 大学院医歯学総合研究科
包括歯科補綴学分野教授 小野 高裕