教授の挨拶

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ご挨拶

当分野のホームページをご覧いただきありがとうございます.
2023年12月より包括歯科補綴学分野の教授を拝命いたしました,堀と申します.

歯科補綴学とは,歯・口腔・顎・その関連組織の先天性な欠如,後天的欠損,喪失や異常を,人工装置を用いて修復し,喪失した形態または障害された機能を回復するための分野です.超高齢社会の到来とともに,口の中の問題のために食事がしにくい,話しにくい,見た目が悪いといったことに困っておられる高齢者の方が増えてきました.我々は有床義歯(入れ歯)治療を通して患者さんの食べること,話すことなどの機能の改善をサポートするために研鑽を積んでいます.

食事や会話の機能が低下する原因は,歯を失うことだけではありません.舌や唇などの口の中の器官の動きや形が大きく影響します.そのためには,口の中の形態や機能を包括的に評価診断し,対応を検討する必要があります.我々は,口の中の手術や難病,要介護などの理由により歯を失った患者さんや機能が低下した患者さんの義歯治療やリハビリテーションを積極的に行っています.

包括的に口腔内の機能を把握するために,様々な口腔機能評価法の開発,実践を行ってきました.正しく患者さんの口の機能を評価することは,その治療,リハビリテーションのための第一歩であると考えます.我々が開発したオリジナルの評価手法やそれらを応用し分析した結果について,論文発表や学会発表を行い,社会の皆様へ還元しています.これらの技術は工学や食品学などの異分野との連携,関連する企業の皆様との共同研究を行って発展させてきました.

教育面でも,当分野は有床義歯を主に担当しています.有床義歯の挙動,口腔機能との調和を考えながら,有床義歯の設計や構成要素を検討することは,非常に奥が深く興味深いものです.学生の皆さんにはその奥深さに気づき,理論や技術をどのように応用すればよいのか考えながら適用することができるようになってほしいと思います.

現在約20名が教室員として在籍し,日々臨床教育研究に頑張ってくれています.50年を超える当分野の歴史を引き継ぎ,新たな技術を分野の垣根なく融合させながら,歯科補綴を通じて国民の皆様の口腔の健康に寄与したいと考えます.これからも当分野へのご指導,ご支援をよろしくお願いいたします.

新潟大学 大学院医歯学総合研究科
包括歯科補綴学分野教授 堀 一浩